Frederique Constant (フレデリック・コンスタント) 本国のHP/日本代理店のHP
(2003/12/27, 2004/9/28)
フレデリック.コンスタントは,もともとは文字盤メーカーでした.現社長のピーター・スタース氏が時計メーカーを興したのが1988年です.創業から現在に至るまで,リーズナブルな時計を製造しています.
フレデリック・コンスタントのトレードマークは何と言っても,テンプを覗く穴を文字盤に開けた「ハートビート」でしょう.それまであったクラシックとヘビーローマン以外に,2001年には高級ラインとしてハイライフが追加され,2002年には,ハイライフとクラシックの間に位置する「パスエイション」が追加されました.そのどのラインにもハートビートのモデルがあります.
また,フレデリック・コンスタントは,機械式時計ばかりに力を入れているわけではなく,極薄クォーツムーブメントを二つ使ったデュアルタイムやクォーツのトリプルカレンダームーンフェイズであるパスエイションなども販売しています.
ただ,最近はちょっと価格が上昇気味なのが気になるところです.廉価だったクラシックラインはだんだん製造中止になっているようです.
ここでは,ハートビートではありませんが,パワーリザーブとハイライフを紹介します.(2003/12/27)
2004年のバーゼルで,自社ムーブメントを発表しました.あんまり美しくはありませんが,,ハートビートにこだわった,フレデリック・コンスタントらしいムーブメントだと思います.SSケースだと30万円くらいです.個人的にはちょっと高いような気がしますが,これも自社ムーブによってブランド価値を上げる戦略ゆえのことだと思います.
それから,ハイライフ・トリプルタイムはどうも生産終了になったようです.なかなかよい時計だと思うのですが...(2004/9/28)
Power Reserve (パワーリザーブ)
Ref. FC340M85
GPケース/革ベルト/ケース径33mm/厚さ10mm/自動巻き
おそらく1990年代後半に発表されたモデルです.現在はすでに生産終了です.まだ現在の代理店でなかった1999年に,並行輸入店で購入しました.
中央のギョーシェ文字盤にプリントのローマ数字インデックスで,針はブレゲ針です.6時位置にパワーリザーブ計,12時位置に24時間計が付いていて,それぞれ金で縁取られています.日付は3時位置です.このデザインは,同じようなレイアウトの文字盤の中でもなかなか私好みです.
ケースサイドにはコインエッジが入っています.ラグは可動式のタイプです.
この時計は,ちょっと前までは「Reference Series」という,フレデリック・コンスタントでも高級な位置づけでしたが,現在ではその座をハイライフに取って代わられたようです.
私にとっては思い入れが深い時計で,この時計が機械式時計にのめり込むきっかけとなりました.
ムーブメントはETA2892A2でシースルーバックです.21石,8振動.テンプの上にETAのマークと「2892-A2」の刻印が見えます.ローターにはロゴが刻印されていますが,それ以外はおそらく普通のグレードのムーブメントだと思います.(2003/12/27)
Highlife Triple Time (ハイライフ・トリプルタイム)
Ref. FC308AB3H6
SSケース/SSベルト/ケース径36mm/厚さ9mm/自動巻き
フレデリック・コンスタントの高級ライン「ハイライフ」は2001年ごろからラインナップに加わりました.この時計は,ハイライフのトリプルタイムです.横広の楕円に沿ってデフォルメされたアールデコ風アラビア数字インデックスという,私の持っている時計の中でも例外的に派手な文字盤です.最初に見たときには確かにぎょっとしましたが,慣れればかなりかわいいものです.しかも,白インデックスには夜光塗料が塗ってあって,夜は怪しく光ります.
文字盤中央には格子状の模様が入っており(エナメル調?),3時位置にはローズゴールドのマークが入っています.文字盤外周には24時間刻みの時刻表示があり,これは先端が赤いGMT針の時刻を表します.その外側に2時位置のリューズで回転させることができる都市名リングが描かれています.日付は6時位置です.
購入に際して,ハイライフのハートビートデイデイトにするかトリプルタイムにするかちょっと迷ったのですが,GMT機能も魅力的だったし,何よりインデックスがたくさん印字してあるという理由でトリプルタイムを選びました.海外に行くときに重宝しています.
GMT針をホームタイムに,時針をローカルタイムに合わせた上で,GMT針が指す位置にホームの都市名を持ってくれば,もう一つの地域の時刻が読み取れる,ということで「トリプルタイム」です.都市名リングの回転はそれほど実用的ではないのですが,デザイン上のアクセントになっていると思います.
ベルトは,ハイライフの頭文字「H」をモチーフにデザインされています.このベルトは鏡面部分が盛り上がっているため,非常に傷が付きやすいのが難点です.あと,ベルトの留具もちょっと弱そうです.ただ,装着感は悪くはありません.
ムーブメントは ETA 2893-2 です.21石,8振動で,ローターにロゴが刻印されています.ただし,上のパワーリザーブよりもこちらの方が仕上げが上で,受けにはコートドジュネーブが入って,青ねじも使われています.
この時計はクロノメーターではないのですが,その程度の精度があります.ただ,スクリュー留め裏蓋は,見た目はいいのですが,実用度が低く,酷使するとネジ頭に錆が出ました(^^;;;)...
2002年のバーゼルフェアで,ハイライフシリーズには,ハートビートレトログラードとクロノグラフが追加されましたが,デザインはあんまりピンと来ませんでしたし,何より高価になりました.この二つのモデルだけでなく,フレデリック・コンスタントの時計は急激に値上がり気味です.この時計にしても,購入時の定価の1.5倍になってしましました.ハイコストパフォーマンスが売りだったはずなので,かなり残念です.(2003/12/27)