Orient (オリエント) HP
(2004/2/1, 2004/5/1, 2005/8/31)
セイコー,シチズンに次ぐ,国産第三の時計メーカーです.といっても,現在はセイコーの子会社ですが...
昔から「業界の三男坊」と呼ばれていました.そのようなオリエントがとった戦略が「輸出時計」です.しかも,アジア,特に,中近東向けの時計作りです.ですので,セイコーやシチズンに保守的なデザインが多い中で,逆輸入のオリエントはとても奇抜なデザインの時計が多くなっています.
1990年代に最も早く機械式に回帰したのも,オリエントでした.これには,輸出時計として機械式を製造しており,工場に生産ラインがあったからだと思われます.その後,シチズンがクォーツを発展させたエコドライブや電波時計,セイコーがキネティックやスプリングドライブといった新機軸を打ち出したのに対し,経営状況も大きかったと思いますが,オリエントは愚直に機械式時計をメインに製造していました.
オリエントの特徴は,何と言ってもその奇抜なデザインと,最安値ともいえるパワーリザーブ計だと思います.特に後者は,なかなか楽しい機構です.
2003年3月に上場取り止めになるほど経営が悪化しました.現在は徐々に高級化路線を敷き,時計の単価を上げつつ,新規ムーブメントの開発にも着手したようです.ですので,以前のような割安感はかなりなくなりました.かなり残念ですが,これも時代の流れなのでしょう.
2004年1月現在では,オリエントの基本ムーブメントは,レディース・ボーイズ用の手巻付き自動巻である55系と,手巻無し自動巻であるメンズ用の46系の二つです.どちらも6振動です.55系には派生はありません(日付つきのみ).これは,トルクの関係上だそうです.一方,46系には,パワーリザーブ計,GMT針,曜日,ワールドタイム機構などの派生があります.最近では,46系のセンターセコンドをスモールセコンドにしたモデルや,オープンハートのモデルなどが出ています.
なお,46系は,もともとセイコー7S系の租であるセイコー70系がオリエントへOEM供給されたものです.ですので,自動巻はマジックレバー式です.
個人的にオリエントに今求めているムーブメントは,薄型のムーブメントです.33mm程度の径で厚さが10mm近くなる46系搭載の自動巻は,ドレスウォッチとしてはちょっと不十分だと感じます.現在開発中のムーブメントは8振動らしいので,おそらくセイコー4S系あたりの焼き直しになると思いますが,さて,どうなることか...
高級化路線は,セイコーの機械式ブライツあたりと価格的にぶつかるので,知名度の面からはなかなか難しいかもしれません.ただ,そうはいっても,オリエントにはがんばって欲しいと思っています.
なお,私自身は,奇抜なデザインのオリエントは持っていません.ノンスクラッチは一時期欲しかったのですが,何となく買い逃しました.それ以外の時計,例えば万年カレンダーやM-FORCEは,径がだいたい40mm以上になるので手を出すには至っていません(^^;;;)...(2004/2/1)
その後,角型パワーリザーブを購入しました.そのときに角型万年カレンダーも見たのですが,これもなかなかの出来でした.チタンのマルチアイズといい,ここ最近のオリエントの角型は,文字盤・ケース・ブレスの質感が高く,その大きさに目をつぶってデザインが気に入れば,かなりお買い得な時計だと思います.(2004/5/1)
2004年に新しく出たロイヤル・オリエントはものすごく良い時計でとても気になっています.2005年に意匠を多少変更し,ロゴを追加したモデルに代わりましたが,それと同時に価格も上がりました(ToT)...もう少し安ければ言うこと無しですが,それを除けば,文字盤の作りといい,新しく開発した薄型ムーブメントといい,かなり魅力的だと思います.(2005/8/31)
Orient Star Royal (オリエントスターロイヤル)
Ref. WZ0031EG
スターリングシルバーケース/革ベルト/ケース径34mm/厚さ9mm/手巻き
このモデルは,2003年,風防がサファイアに,リューズと尾錠が銀製に代わり,新しい参照番号WZ0081EGになりました.それと同時に価格もかなり上昇しました(ToT)...この時計は,新モデルが出る間際の2003年に慌てて購入した旧モデルです.ですので,風防はミネラルです.ちなみに,新モデルは,2004年の「世界の腕時計」のスタンダードウォッチ部門で金賞を取りました.
ドルフィン針時分針でバーインデックス,文字盤中央部には格子状の模様が入っています.12時位置のパワーリザーブ計は,オリエントのアイデンティティになっています.オリエントの場合,手巻は50時間,自動巻は40時間のパワーリザーブ計となります.ケースは銀無垢ですが,メッキ処理してあります.ベルトは今一つかなぁ?
デザイン上は地味な部類に入ると思いますが,個人的には好きなデザインです.ただ,これで分針と秒針がプリントされたインデックスにかかるくらい長かったら言うことなしでしたが...
ムーブメントはCal.48A40です.これは,46系ムーブメントからローターを取り去ったムーブメントです.テンプ受けと輪列・香箱受けの二つしか受けが無い,いわゆる一体型受けを持ちます.これは,ノモスの2003年開発ムーブメントのようなグラスヒュッテの様式を髣髴とさせます.21石,6振動です.
個人的には,ロービートの割には小型テンプで,しかも一体型受けとあんまり好みではありません.ただ,ガンギ車と三番車の軸の石に耐震装置を装備したり,受けに独特の筋目模様をつけたり,香箱車の仕上げなど,なかなかのものだとは思います.また,丸穴車は受けの上に位置するため,裏側からは見えなくなっています.
この時計は,店頭で見ているときにはそれほど感じませんが,実際に購入してみるとそのよさが徐々に分かってくる,といった時計です.文字盤・針・ケースとよく作りこまれていると思いますし,何より全く飽きが来ないデザインです.このような作りのよい時計を眺めていると「時計にこれ以上何が必要なのだろう?」という気になります.(2004/2/1)
Orient Star Millennium (オリエントスター・ミレニアム)
Ref. WZ0011FB
チタンケース/チタンベルト/ケース径39mm/厚さ12mm/自動巻き
2000年のミレニアムを記念して2000年1月1日に300本限定で販売されたオリエントスターのミレニアムです.2005年に入手しました.
実は私は軽度の金属アレルギーがあり,夏に常用できるチタンケース&ベルトの時計を探していました.この時計の存在は出た当初から知っていましたが,実物を見るまでは今一つピンと来ませんでしたし,実物をパッと見ただけでもそれほど気にはなりませんでした.ところが,実物をじっくり見る機会があり,それからじわじわと気になりだし,オリエントのワールドタイマーは一つは欲しいと思っていたこともあり購入に至りました.シリアル番号は142/300で,ケース側面に刻印されています.
ベースはオリエントのワールドタイムですが,やっぱり通常のオリエントスターとは一味違ってしっかり作られています.まず,文字盤中央に放射状の模様が入っていて,12時位置のパワーリザーブ計,6時位置の日付はきちんと段が付いています.時分針はドルフィン針で,その他の針すべてに夜光が入っていないことも気に入りました(個人的にはオリエントの夜光は役に立たないのに入っていることが多いのであんまり好きではありません).文字盤外周部に都市名が,その外側に時分針と連動したワールドタイムリングが入っています.
ブレスは三連ですが,内側に溝があります.この溝に意外と汚れが溜まるのがちょっと残念...ただ,これは頻繁にブレスを洗えばよいだけの話ですけど...おそらく,裏蓋がガラスになっているのが原因の一つだと思いますが,チタン製の割にはそれほど軽くありません.ですので,意外としっかりした感じで装着できます.
私が気になった欠点は,日付の視認性をもう少し上げて欲しい(それでも,通常モデルよりは視認性は上がっていると思います)こと,風防に無反射処理をして欲しいこと,それから,もう少し分針と秒針は長くして欲しいことくらいで,それ以外はかなり満足できた時計です.
なお,この時計はロイヤルではありませんが,ロイヤルと同様の購入2年後無料点検が付いていました.精度もかなりよいので,これはほとんどロイヤルといっても差し支えないかなぁ,と個人的には思っています.実際にロイヤル・ワールドタイマーと比較しても遜色はありませんし...
ムーブメントはオリエントの46L40で,パワーリザーブ計とワールドタイマーが付いています.まぁ,仕上げ自身は他のオリエントスターと大差ありません.
裏のガラス面に2000-01-01と印字されています.これはあまりかっこよくないので,できればやめて欲しかったです(^^;;;)...オリエントの46系の特徴である巻き上げ効率が非常によく,しかも精度がかなりよいムーブメントなので,普段使いにはもってこいです.
この夏にドイツへ行ったときにこの時計をしていきましたが,いやぁ,オリエントのワールドタイムは実用性が高いです(^^).同じような機能にGMTがあり,私もフレデリック・コンスタントのハイライフ・トリプルタイムを持っていますし,実際に海外でも使っていましたが,実用度はオリエントの方が上です.というのも,GMTは針が指している時刻を読み取る必要がありますが,ワールドタイムはTYOと指しているところだけを見ればそのときの日本時間が分かるわけですから,アクションが一つ少なくて済みます.しかも,国内でも,現在の世界各地の時刻が分かる,というのは,海外にメールを出したりするときに重宝します.
というわけで,私はオリエントスター・ロイヤル・ワールドタイムでも,WZ0031FBとWZ0041FBはよいと思うのですが,24時間リングではなく都市名リングが回転するWZ0011FLやWZ0021FLの実用性は今一つのような気がしています.
さらに,新しいオリエントスターのワールドタイムは,今までの固定式のベゼルから回転式のベゼルに変更になりました.これは時間設定のときに重宝しそうです.ただ,このミレニアムを買ってしまったので,おそらくこちらに手を出すことは無いと思います.日付の視認性はミレニアムより劣りますし,針には不要な夜光が入っていますし...でも,都市名を刻印したベゼルはやっぱりかっこいいと感じます(^^).
よく考えたら,パワーリザーブ計付きワールドタイマーはオリエント独自のデザインのような気がします.JLCのジオグラフィークや今年の新作のランゲ1・タイムゾーンはワールドタイマーのようなデュアルタイムですし,パテック・フィリップにはパワーリザーブ計はもちろん日付も付いていませんから...
この時計は,派手ではないけれど,ワールドタイマーという付加機能がさりげなく付いていて,しかも安っぽくなくしっかりと作られている,という,私の好みにぴったりでした.ロイヤルと同じく,「これ以上,時計に何が必要だろうか?」と思わせてくれる時計です.この時計がこれほど気に入るとは,私自身も意外でした(^^;;;)...(2005/8/31)
Orient Star Power Reserve (オリエントスター・パワーリザーブ)
Ref. WZ0021EW
SSケース/革ベルト/ケース径33mm/厚さ11mm/自動巻き
オリエントのパワーリザーブがどうしても欲しかったので2001年に入手しました.SSブレスのモデルと迷ったのですが,SSブレスのほうは針に夜光が入っていたり,インデックスの形状が今一つ,ということで,こちらの革ベルトモデルを選びました.
製造シールにより,1998年製造でした.このモデルは,1996年頃からおそらく2000年頃まで製造されていたのだと思います.2002年くらいまではよく見かけましたが,最近ではほとんど見かけなくなりました.
秒針とパワーリザーブ針が青(といってもブルースチールではなく塗り)で時分針がドルフィン針です.白文字盤にも中央部,外周部,パワーリザーブ部にそれぞれ異なる模様が入っていて,楔形インデックスともどもなかなかいいバランスだと思います.パワーリザーブ計は12時位置です.
風防はボックス型になっており,なかなか味があります.ただ,自動巻き三針ドレスウォッチと考えると,11mmはちょっと厚いと思います.
資料によると,ムーブメントは46系のCal.46F42で,6振動,21石です.特筆すべきは巻き上げ効率!やっぱり,セイコー譲りのマジックレバー式巻上げはさすがです.やっぱり,ETA製の自動巻と比較すると,巻き上げ効率が段違いによいことが分かります.
90年代のオリエントは,奇抜なデザインと保守的なデザインが奇妙に混在していました.上のロイヤル手巻もデザインは90年代後半ですし...そういう意味では最近のオリエントのデザインは保守的なものがなくなってしまったと思います.買っておいてよかったと今は思っています.
それから,オリエントを見る際に私が気にしていることは,針に夜光が入っているかどうかです.個人的には,あの程度の夜光ならば,入っていない方がデザイン的にすっきりしていて好みです.(2004/2/1)
Orient Star (オリエントスター)
Ref. WZ0161ER
SSケース/SSベルト/ケース径36mm/厚さ11mm/自動巻き
2003年にラインナップに加わった,クッションケースのオリエントスターです.2003年に入手しました.実は雑誌の懸賞で当った時計です(^^)...
12,3,6,9のアラビア数字とバーの組み合わせのアップライトインデックスです.文字盤はカームオレンジとオリエントが読んでいる色で,なかなかシックだと思います.また,インデックスの外周部に夜光が入っており,ドルフィン針にも夜光が入っています.ただ,この夜光はぜんぜん光りません.これだったら,夜光は省略した方がデザイン上よかったと思います.
日付は4時と5時の間です.ただ,この日付窓が小さく,二桁日付の時にはかなり読みづらいです.このあたり,もう少し考えて欲しかったです.
風防はボックス型です.クッションケースの時計は初めてだったのですが,このサイズはなかなか使いやすいです.ベルトもプッシュ式のバックルなので着脱も容易です.
ムーブメントは46系のCal.48748です.一応,テンプ受けとローター受けにはペルラージュっぽい模様が入っていますが,地板は磨かれていません.まぁ,ロイヤルでも地板は磨かれていませんから,これはオリエントの仕様だとは思います.ただ,少なくともテンプ周りの見栄えはもう少し考えて欲しいとは思います.
さすがに,巻き上げ効率はよいです.巻き上げに伴うコロコロした感触はマジックレバー式巻上げ独特のものです.(2004/2/1)
Titanium (チタニウム)
Ref. ZER04000W0
チタンケース/チタンベルト/ケース径36mm/厚さ11mm/自動巻き
1999年に入手した,私にとっては初めてのオリエントでした.逆輸入品です.チタン製なので非常に軽く,特に汗をかく時期には重宝しました.機械式時計にそれほど詳しくない時期に購入したので,この時計はスポーツをする際にも着けていました.今考えると恐ろしいことですが^^;;;...ただ,全然びくともしませんでした.
白文字盤にアップライトのバーインデックスと夜光付きのペンシル型の針です.ただし,夜行は全く役に立ちません.デザインもそれほど考えられているとは思えません^^;;;...それから,リューズは金メッキで,リューズガードが付いています.
ムーブメントはCal.48744ですが...はっきり言って,仕上げも何もあったものではありません.おもちゃっぽさ満載です(^^).実際,初めて裏を見たときには,かなりショックでした.ただ,このようなおもちゃのようなムーブメントでも,時計としての機能を十分果たすことは,ある意味脅威的です^^.
なお,画像ではローターにしみのようなものが写っているように見えますが,実際には綺麗です.(2004/2/1)
Day Date (デイデイト)
Ref. EV04-C0
SSケース/SSベルト/ケース径34mm/厚さ11mm/自動巻き
2000年の初め頃に入手した逆輸入のオリエントです.なお,モデル名の「Day Date」は私が勝手に名づけているだけです(^^;;;).
3時位置に日付,12時位置に英語のフルスペルで曜日が表示されます.この時計を最初に見たときには,ロレックスのデイデイトのパロディーかとも思いましたが,デザインがぜんぜん違うので,これはこれでオリエントらしい時計だと思っています.ただし,かなりおじさん臭い時計なのは確かです(^^;;;).
12時位置の向い獅子のマーク,12を除く偶数は数字でそれ以外は楔形のアップライトインデックス,白文字盤中央は網目模様が,外周部には筋模様が入っていています.一番好みだったのは実は針の形です.剣のような針の形はなかなかです.
風防はボックス型です.一応,リューズガードらしきものも付いています.ブレスは5連ブレスで,しかも駒が小さめなのでフィット感は抜群です.
ムーブメントはCal.46E42ですが,仕上げは48748に比べるとほとんどされていません.1/3ローターは逆輸入品のオリエントにはよく見かけますが,国内向けでは見かけたことが無いので,海外専用だと思います.
なお,日付は早送りできますが,曜日は早送りできません.(2004/2/1)
Power Reserve (パワーリザーブ)
Ref. CEX0500W0
SS+GPケース/SS+GPベルト/ケース径36mm/厚さ12mm/自動巻き
2002年に入手しました.
正直,この時計を入手するまでは,逆輸入オリエントのパワーリザーブは,決して端正とは言えないデザインから敬遠していたのですが,この時計によって,かなり意識が変わりました.特にその質感の高さはなかなかのものです.
SSとGPのコンビなので,ぱっと見た感じはかなり派手に見えますが,実物は意外と落ち着いています.文字盤もよく作りこまれていると思います.ただし,針の夜光はやっぱり必要ないかなぁ?日付早送りボタンは正直必要ないかなぁ,とも思いますが,ご愛嬌というところで(^^;;;).
ベルトの作りもなかなかで,フィット感も抜群です.ただし,バックルがプッシュ式ではないので,着脱はちょっと面倒ですけど...巻き上げ効率はやはりすばらしいです.(2004/2/1)
Automatic (オートマチック)
Ref. CFDAC002B0
SSケース/SSベルト/縦42mm/横34mm/厚さ12mm/自動巻き
2004年に日本に入荷し始めた,オリエントのマルチアイズの一種です.マルチアイズ自身は2000年のバーゼルで発表され,その後2002年ごろには国内品としてもレギュラー化され,国内品・海外品とも入手可能になりましたが,2004年に,この角型タイプのSSモデルとベゼルが特徴的なチタンモデルが追加になりました.
オリエントでは,元来,6時位置スモセコ・9時位置指針式日付・12時位置パワーリザーブ計のモデルをマルチアイズと呼んでいましたが,どうもこちらの12時位置パワーリザーブ計・6時位置ディスク日付・センターセコンドもマルチアイズと呼んでいるようです.私自身は,マルチアイズはこちらのタイプの方が,日付が読みやすく,デザインがすっきりしていて好みです.
マルチアイズはもともと欲しかったのですが,今までのモデルはケースの横にラウンドのステップが付いていたことと文字盤の意匠が今一つ好みではなかったので,手を出していませんでした.さらに,WZ0021EWと同時期のモデルでSSブレスのWZ0031EW(黒文字盤),WZ0041EW(白文字盤),WZ0051EW(ピンク文字盤)のどれかを探し出して夏用の時計として購入しようかなぁ,と考えていました.ところが2004年モデルの実物を見たところ,あまりのできのよさに感心し,こちらを夏用の時計とすべく,購入してしまいました.
このモデルには,現時点で,この黒文字盤以外に,白文字盤と紺文字盤があります.ですが,その中でも黒文字盤を選んだ理由は,白文字盤はインデックスがプリントだったこと,紺文字盤は黒文字盤と区別できないほど濃い紺色だったので,それだったらいっそのこと黒文字盤の方が精悍だと感じたからです.
見ての通りの角型ですが,レクタングラー(長方形)というよりはケース形状はカレ(正方形)です.カレだったら,文字盤も正方形にして欲しいところですが,これはこれでうまくまとめていると思います.ただし,かなり大きいです.
黒文字盤に,銀のローマ数字のアップライトインデックス,針は秒針以外がスケルトン針でこれも銀色です.文字盤は内部に模様が入っています.リューズは比較的大型のものが付いています.ブレスもかなり質感が高いものが付いています.そもそもマルチアイズのブレスの作りはしっかりしていたのですが,これはさらにしっかりしています.
この時計で最も気に入った点は,やはり文字盤デザインです.左右対称のデザインで,黒文字盤に銀のローマ数字のアップライトの組み合わせがとても精悍です.確かに,針も含めて,この色合いだと視認性はよくありません.ただ,それを補って余りあるデザインだと思います.さらに,オリエントは,あんまり光もしない夜行を針やインデックスに載せることが多いのですが,この時計では針とインデックスには夜光が入っていません.このような点も好感が持てます.
強いて欠点を上げれば,日付ディスクは黒をベースに白文字にして欲しかったことと,日付の枠はいらないことくらいでしょうか...あとはこの独特のケース形状が気に入るかどうかでしょう.私も最初はそれほど好きなケースデザインではなかったのですが,使っているうちに,だんだんと気に入ってしまいました(^^;;;)...
私にとっては,昨年のセイコーのモンスターに続くヒットです.モンスターだと派手すぎる場合に,これを着けるようにしています.このような素晴らしい時計が超破格で購入できるのですから,オリエント,恐るべしです.(2004/5/1)