Seiko (セイコー) HP

(2004/1/18, 2004/4/29, 2004/5/21, 2004/8/21, 2004/12/10, 2005/11/2)

言わずと知れた,日本の時計メーカーです.クォーツの開発で一時代を築きましたが,1990年代からは機械式時計にも回帰し始めました.個人的には,その時期に作られた時計が大好きです.

その一方で,最近のセイコー製の機械式時計は,製品にポリシーがあんまり感じられないので,それほど魅力を感じません.機械式ブライツは私にはちょっと大きいし,クレドールは高いし,グランド・セイコーはまだ手を出す気になりませんし...最近のセイコーでは,逆輸入機械式とプロスペックのキネティッククロノグラフに興味があります.後者は文字盤レイアウトがなかなか好みです.

セイコーの主な機械式ムーブメントは,ブライツやクレドールに搭載されている4S系,クロノグラフに搭載されている6S系,逆輸入のセイコー5に搭載されている7S系,グランド・セイコーに搭載されている9S系とその廉価版である8L系,それからクレドールの薄型手巻に搭載されている68系となっています.7S系と68系が6振動で,残りが8振動です.

4S系と9S系の手巻ムーブメントは,プレート一体型の受けを採用しているので,個人的にはそれほど魅力を感じません.一方,68系は現行のセイコーのムーブメントでは,最も審美的だと思います.自動巻だと,やはりセイコーのお家芸であるマジックレバー式を採用した7S系が,最廉価なのにセイコーらしさがあるムーブメントだと思います.クロノグラフの6S系は,スイス製に比べると部品がギュッと詰まった感じが希薄なので,個人的には今ひとつ惹かれません.

ちなみに,4S系は,ロードマチックやキングセイコーに搭載された52系ムーブメントがベースとなっており,自動巻は切り替え車方式の手巻付です.一方,7S系はファイブアクタスやアドヴァンに搭載された70系ムーブメントがベースとなっており,自動巻はマジックレバー式の手巻無しです.

セイコーは,せっかく小型のムーブメントを持っているのに,最近は大きい時計ばかり作っている点が少し疑問です.流行を追うのではなく,ムーブメントサイズに合った時計をもっともっと作ってもらいたいと思います.特に,クロノグラフは6S系をぎりぎり収めるケースサイズのクロノグラフを出して欲しいと思います.(2004/1/18)


Mechanical (メカニカル)
Ref. SCVL001
SSケース/革ベルト/ケース径33mm/厚さ5.1mm/手巻き

1992年から2000年くらいまで販売されていたセイコーのメカニカルラインの1本です.セイコーの高級手巻ムーブメントの時計が欲しくて,2003年に入手しました.

少しグレーがかった文字盤にアップライトのバーインデックス,針もバトン型,それ以外には「SEIKO」のロゴしか入っていないという,ものすごくシンプルな時計です.初めて見た印象は「そっけない」の一言でしたが,見続けていると,この雰囲気もなかなか捨てがたいと思うようになりました.

この時計のシンプル極まりない雰囲気が気に入ると,今雑誌などでよく取り上げられているノモスですら派手な時計に思えてしまいます.個人的には,同系列のムーブメントを搭載した現行のクレドールよりも,こちらのデザインの方が好みです.

この時計は1993年製です.デザインは,その当時の高級スイス製の二針手巻を参考にしたのかもしれませんが,ストレートなラグやリューズの形状といった細かい点もよく考えられていると思います.

しかも,当時の価格が25万円でした.同系列のムーブメントを搭載したクレドールが貴金属ケースとはいえ,この価格の倍以上はすることを考えると,かなり破格な時計だったと思います.

ムーブメントは極薄の Cal.6810 です.ムーブメントの厚さはなんと1.98mm!そのおかげで,時計の厚さはわずか5.1mmです.6振動,22石です.

セイコー68系ムーブメントは,1968年に開発が始まり,1969年に6800,1972年に6810が完成しました.その後,1978年に販売が一旦中止されたものの,1992年に復活・再生産したムーブメントがこの6810Aです.68系ムーブメントは,現行時計ではクレドール専用キャリバーになっており,その中には,1993年完成の6870,1996年完成の6898と6899があります.このうち,6810と6870が二針,6899がスケルトン二針,6898はスモールセコンド付です.6898のみ,受けの形状が他のキャリバーと異なります.

6810はそれらのベースキャリバーと思われますが,その仕上げは全く遜色がありません.軸受け石にはシャトンリングが施され,ガンギ車と四番車の軸受けには耐震装置まで入っています.また,地板はペルラージュで,受けはコート・ド・ジュネーヴで綺麗に磨かれており,また香箱や丸穴車の仕上げも美しいと思います.

それから,このムーブメントの特筆すべき点は,軽やかな音を伴う巻き味と,高く響く音です.これもなかなか魅力的だと思います.(2004/1/18)


Laurel (ローレル)
Ref. LJAL601
スターリングシルバーケース/革ベルト/ケース径36mm/厚さ8mm/手巻き

1995年から販売されていたローレルです.スターリングシルバーケースにブルースチールのスペード針,文字盤は琺瑯で,ブレゲ数字+レイルウェイインデックスです.ただし,ブルースチールなのは時分針だけで,秒針は塗りです.なかなか端正な雰囲気の時計です.セイコーが90年代にこのような時計を作っていたことに驚きます.なお,この時計は1995年製で,入手は2002年でした.

ローレルには,銀無垢ケースのトノースモールセコンド手巻,SSケースのトノーパワーリザーブ計付手巻,SSケース&ブレスの自動巻など,スタンダードなデザインの時計がラインナップにありました.ただ,4S手巻のシースルーバックは,ムーブメントの面白さが今ひとつなので,個人的には例えシースルーバックではなくとも,銀の質感が楽しめるモデルの方が好きです.

ベルトは水染めクロコです.このベルトは,裏地に汗染みができづらく,汚れが目立ちません.

ムーブメントは8振動21石の4S24です.コリコリといった手巻の感じが独特です.秒針停止機構付です.

文字盤を大きく映してみました.琺瑯の白とブルースチール針の青が綺麗なコントラストを成しています.銀無垢ケース・琺瑯文字盤・ブルースチール針という組み合わせは,1920年代頃の時計の雰囲気を髣髴させます.

セイコーにとっては,このローレルシリーズが時期尚早だったと思います.もう少し製造を続けていれば,と個人的には悔やまれます.現在,現行の機械式ブライツはよく売れているようですが,ローレルと同じ4Sムーブメントを搭載しているとはいえ,価格がかなり上がったことが残念です.(2004/1/18)


Laurel (ローレル)
Ref. LJAK600
スターリングシルバー+PGケース/革ベルト/縦33mm/横33mm/厚さ9mm/手巻き

セイコーのローレルです.スターリングシルバーケースに18KのPGベゼルが付いています.ブルースチールのリーフ針,文字盤はベージュで,インデックスは6以外の偶数位置がアップライトのブレゲ数字,奇数位置がアップライトの楔形インデックスです.この時計は1996年製で,中古品を2004年に入手しました.

ベージュ色の文字盤には,スリット上にうっすらと模様が入っています.さらに,スモールセコンドは一段下がっており,その縁は金色が入っています.

今まで角型は持っていましたが,トノー型はこれが初めてです.といっても,本当に「樽」と言っていいような,今流行のトノー型と比較すると多少太った(?)トノー型です.リューズは上のローレルと同じ形です.

最近入手した1995年の Goods Press 別冊「世界の本格腕時計大全」に,セイコーのローレルの開発者のインタビューが掲載されていました.それによると,「コンセプトは『長く愛着を持てる時計』.これを目指し,無垢のスターリングシルバーやピンク・ゴールドのベゼルを採用しました.デザインもセイコーの旧製品のデザインを真似ることを敢えて避け,一般的な古い時計を参考に,すべて新規にデザインしたのです」とのこと.ちなみに,LJAL601の琺瑯文字盤は,最初は12が赤のブロック体のアラビア数字インデックスのデザインも考えられたそうですが,「派手」「昔のイメージは抑えよう」ということで取りやめになったとのこと.個人的には,「12が赤」は採用して欲しかったなぁ(^^)...

ムーブメントは8振動24石の4S28です.実は,セイコー4S系の4番車は6時位置ではなく4時位置にあります.ですので,スモールセコンドにするために4番車から6時位置まで動力を伝達しています.この4S系は1971年に登場し,キング・セイコー・クロノメーターに採用された52系をベースに新設計されたものだそうです.ただ,ムーブメントの見た目は正直あんまり好みではありません.ローレルにもSSケースだとシースルーバックもありましたが,シースルーバックか銀無垢ケースか,といわれれば,私はローレルに関する限り銀無垢ケースを選びます.

ローレルは本当によい時計です.現行のブライツとは異なり,上のインタビューにあるように「長く愛着を持てる時計」にしっかり仕上がっていると思います.デザインも古典的で好みですし,銀無垢ケースやブルースチール針は暖かみを感じます.派手さはそれほどありませんが,とても愛着が沸く時計です(^^).

二つのローレルを一緒に撮影してみました.こちらに掲載しています.なお,ローレルに限らず,ブルースチール針の色が,撮影環境のせいかうまく出ません(^^;;;).やっぱり写真撮影は難しいです...(2004/12/10)


Criteria (クライテリア)
Ref. SNZC41K
SSケース/SSベルト/ケース径38mm/厚さ12mm/自動巻き

海外製のセイコー自動巻「クライテリア(=基準・標準という意味の criterion の複数形)」です.2005年にシンガポールに行った際,そこで購入しました.2004年製です.

この時計は2004年に製造開始されたようなのですが,日本にはどうも入荷していないようで,海外の通販サイトで見かける程度です.クライテリアには,このSNZC41K以外に,水色文字盤のSNZC37K,紺色文字盤のSNZC39K,グレー文字盤のSNZC43K,それに黒文字盤のSNZC45Kの5モデルがあります.このうち,この時計とSNZC43Kがメッキベゼルです.

特徴は何と言っても日付・曜日表示です.2時位置の日付・6時位置の曜日は,青い針の形状もあいまって,なかなかかっこいいと思っています.インデックス部もきちんと掘り込まれています.また,赤で書かれている24時間表示もデザイン上は,青針と共に,よいアクセントに成っていると思います.ただし,文字盤の白はもう少しクリーム色っぽくして欲しかったですが...この文字盤は太陽光を当てると,琺瑯っぽい「もわもわ」っとした感じがします.

針の形状は何と表現してよいのか...なかなか面白い形状だと思います.ただし,青い塗りは少し安っぽいです.それから,個人的にはもう少し長い針にして欲しかったです.それに,夜光がそれほど光らないので,これだったら夜光を除いて欲しかったです.

ベゼルのメッキはよいのですが,ベゼルがダイバーズに比べると甘いのか,動きやすい気がします.これだったら固定ベゼルでも良かったのに,と思ってしまいました(^^).

ブレスの造形もなかなかだと思います.

ムーブメントは,23石の7S36Aです.の時計と同一ですが,受けにかすかにストライプが入っており,少しは仕上げがされているともいます.ただし,精度はそれほどよくありません.

この時計は,はっきりいって,そのデザインで買った時計です.やっぱりこのサイズ・デザインは,価格を考えると破格だと思います.それから,意外と装着感も悪くありません.ソリッドベゼルのSNZC37Kも意外とかっこよかったので,今度シンガポールに行くことがあったら,こちらも購入してみようかなぁ,という気になっています(^^).ただし,いつになるかは?ですが(^^;;;)...(2005/11/2)


Automatic (オートマチック)
Ref. SKZ022K
SS+GPケース/SS+GPベルト/ケース径35mm/厚さ11mm/自動巻き

逆輸入の5ではないセイコーの自動巻.2004年に入手しました.

お気に入りは何と言ってもこのサイズです.日常使いにはこのサイズが私にとってはベストです.正直,コンビはそれほど好きではないので,画像を見ただけではそれほど購入意欲は沸かなかったのですが,実物を見て,想像以上によかったので購入しました.

製造は意外と古く,1996年製です.とあるHPでこの時計を売っていたときの情報によると,どうもセイコー5スーペリオの習作だったらしく,ムーブメントも5やダイバーズの7S26とは異なり,スーペリオと同一の23石の7S36を搭載しています.

画像では分かりづらいのですが,ドットインデックスはアップライトになっています.ベンツ針もそれほど好きな針の形状ではありませんが,一つぐらいあってもいいかなぁ,と思っていたら,夜光がきっちり入っているおかげで,夜は明るく光ります.分針はドットインデックスに乗るような長さで,秒針は外周のインデックスに乗るような長さなので,針の長さを気にする私にとっても十分合格点です(^^).

専用ブレスなので,革ベルトに換装することはできませんが,それだけしなやかに手首にフィットします.また,ケース形状も外周に膨らみがある凝った作りになっています.

ムーブメントは,23石の7S36.ただし,仕上げは皆無です.マジックレバーが,ローターの間から見え隠れするのが,何とも微笑ましいと感じます.ローターがかぶさっているパーツ(右の画像だとローターの下にある円形のパーツ)にローター側から出ている棒状のパーツがマジックレバーです.なお,マジックレバー式については,ムーブメントブックに簡単な解説があります.

個人的には,セイコーの海外生産の時計自身は好きなのですが,ダイバーズだとかっこいい時計が多いのにも関わらず,スタンダードなタイプではピンと来るデザインの時計が少ないのが悩みの種です.その中で,この時計は比較的デザインが好きな時計です.コンビでなければなおよかったのですが(^^;;;)...(2004/5/21)


Diver's 200m (ダイバーズ200m)
Ref. SKX781K
SSケース/SSベルト/ケース径41mm/厚さ12mm/自動巻き

逆輸入の200mダイバーズ,通称「オレンジ・モンスター(Orange Monster)」です.2003年の夏に入手しました.私は元来いわゆる「デカ厚」はそれほど好きではないのですが,この時計の実物を見たときには,あまりの作りのよさに一目惚れしました.

文字盤はインデックス部に段差があり,針も特徴ある形状で,しかも針とインデックスの夜光が暗闇では怪しく光ります.バックルもプッシュ式だし,ブレスの作りもなかなかです.風防はハードレックスで,しかも回転ベゼルの方が風防よりも浮き出ているため,風防への衝撃は回転ベゼルが抑える仕組みとなっています.回転ベゼルのクリックもきっちり決まります.リューズはねじ込み式で,4時位置に付いています.

しかも価格がこれまた魅力的です.これほどの作りの時計だと,スイス製ではこの10倍の価格がついても不思議ではないと思います.

円形の刻みがある回転ベゼル,それにぴったりあうように刻みが入ったケース形状,それから左右非対称な6時側のケースからラグにかけての造型,まさに「鉄の塊」「鉄のオブジェ」といった趣です.ベルトもしっかりした作りで,バックルは二重ロックのプッシュ式です.

裏には,セイコー伝統の波模様も入っています.当然,スクリューバックです.

よいことづくめのこの時計にも一つだけ欠点があります.それは大きくて重たいこと...でも,この重量感も魅力の一つとは言えなくはありません...

ムーブメントは,マジックレバー式巻き上げで耐久性が高い,6振動の7S26です.精度はとりたててよくはありませんが,必要十分です.(2004/1/18)


Diver's 200m (ダイバーズ200m)
Ref. SKX779K
SSケース/SSベルト/ケース径41mm/厚さ12mm/自動巻き

逆輸入の200mダイバーズ,こちらは通称「ブラック・モンスター(Black Monster)」です.2004年に入手しました.

オレンジ・モンスターを購入する際,ブラック・モンスターとどちらにするか,かなり迷いました.そして,針の縁取りと曜日表示から,当初はオレンジ・モンスターを購入しました.その後,ひと夏使って,あまりに出来がよいのに感心し,とうとうブラック・モンスターも購入しました.

ケース形状やベゼルなど,外装はオレンジ・モンスターと同一で,違いは文字盤だけです.

オレンジの方が色としては派手に感じるかもしれませんが,実はブラックの方が派手で押し出し感が強いと思います.これは,オレンジにある時分針の縁取りがブラックではないため,針が太く見えることが原因かもしれません.

この時計の一番の魅力は,その外装のできのよさだと思います.特に,ベゼルとブレスがすこぶる上質です.ベゼルは切れ込みまで入っていてクリック感も素晴らしいですし,ブレスは通常のピン式ではなくもっと凝った接続方法になっています.さらに,これは実際にオレンジ・モンスターを使ってみて気づいた点ですが,この時計は傷が付きやすい部分はすべてマット仕上げになっていて,しかもその部分が少ないため,傷が付いても目立たないという利点があります.

オレンジ・モンスターとブラック・モンスターの違いは,文字盤色・針の縁取りの有無・曜日色です.オレンジは白地に黒文字がベースで土曜日が青,日曜日が赤で表示されます.一方,ブラックは黒字に白文字がベースで,日曜日のみ赤で表示されます.

並べて見ました.さすがに家内からは「同じ時計を二つ買わなくても...」と言われてしまいましたが(^^;;;),私の中では別の時計です...(2004/4/29)


Diver's 200m (ダイバーズ200m)
Ref. SKXA47K1
SSケース/SSベルト/ケース径41mm/厚さ12mm/自動巻き

2004年に販売が開始された,逆輸入の200mダイバーズ,通称「ホワイト・ナイト(White Knight)」です.2004年に入手しました.黒文字盤のブラック・ナイトとどちらにするか迷いましたが,黒文字盤はモンスターを既に所有していること,それから白文字盤のダイバーズが欲しかったこともあり,今回はホワイト・ナイトにしました.ただ,ブラック・ナイトもいずれ購入すると思います(^^)...

文字盤の色は,ホワイトというよりはシルバーです.文字盤中央部にギョーシェ模様が入っていて,インデックスも銀で縁取りされています.針はセイコーのダイバーズによく使われているイカ針です.ただ,針の黒縁は個人的には?でした.これはブラック・ナイトと同様,インデックスと合わせた銀縁にして欲しかったです.

回転ベゼルは,クリック感はしっかりしていてインデックスデザインも常識的です.プッシュ式バックルのブレスもなかなかです.ケースは左右対称で側面が鏡面仕上げとなっていて,ラグは分厚くなっています.リューズは3時位置,そのリューズにはガードが付いています.

モンスター同様,しっかりした作りと低価格がかなり魅力的な時計です.

モンスターと比較すると,かなり常識的なデザインのダイバーズです.押し出し感は圧倒的にモンスターが上ですが,ドレッシーさはナイトの方が上です.径と厚さはほぼ同じなのですが,実際にはナイトの方が薄く見えます.

ナイトが明らかにモンスターに勝っている部分は,ラグとブレスのエンドピースの作りです.太くて重量感のあるがっちりしたラグはなかなか好感が持てます.ただ,このせいでナイトはラグの端から端まで約50mmあります.モンスターはラグの端から端までが約45mmくらいですので,ケースの縦方向はナイトの方が長くなります.このこととベゼルのデザインが,ナイトを実際よりも薄く感じさせる要因になっているとも思います.

それから,リューズはナイトの方が小さいのですが,リューズガードの厚みもそれに伴って縦方向には薄くなっているので,使い勝手(リューズの開放)はモンスターよりも上だと思います.というより,モンスターは3時側の細いリューズガードが,使い勝手をかなり悪くしていると思います.

一方,ナイトはケース側面とブレスの一部が鏡面となっているため,やっぱり傷は付きやすいように感じます.また,装着する際にどうしてもブレスの鏡面部に触ってしまうため,装着後に拭かないと指紋がついたまま,となってしまいます...

それから,ナイトはモンスターに比べて,やはり回転ベゼルの使い勝手がよくありません.また,モンスターが風防よりもベゼルが上にあるのに対して,ナイトは逆になっています.ですので,ナイトの場合は,ベゼルよりも風防をぶつけやすいように感じます.まぁ,ハードレックスはぶつけてもなかなか傷は付きませんけど...さらに,このベゼル形状もモンスターよりもナイトを薄く感じさせる要因だと思います.

違いが分かりやすいように,ナイトとモンスターを両方を一緒に撮影しました.

ナイトもモンスターも一長一短がありますが,どちらも素晴らしい時計だと思います.正直,セイコーの一連のダイバーズを入手すると,他のメーカーのダイバーズは個人的にはどうでもよくなりました(^^)...しかも恐ろしく低価格ですし...

セイコーのダイバーズには,ナイトやモンスターのようにニックネームが付いたモデルがいくつかあります.興味がある方はこちらをどうぞ. (2004/8/21)