Movement Gallary - Hand Winding -

ここでは,ユニタス以外の手巻ムーブメントの画像を紹介しています.

Omega 286 (30 SC T6 PC AM)
(Stowa / Exima Omega Kalibar 286)
5振動,17石,13リーニュ(30.0mm).
ガラス径は30mm.

センターセコンドのオメガの30mmキャリバー.30 SC T6 PC AM とも呼ばれている(SC=センターセコンド,T6=改良6,PC=耐震,AM=耐磁).厚さ5.1mm.

出車式のセンターセコンドで,見た目はまさに質実剛健といった趣.仕上げはオメガ特有の赤金メッキ.ヒゲゼンマイはブルースチール.スムーステンプ.
GT 81 (Revue 81)
(Revue Thommen / GT 1885 Classics)
5振動,17石,13リーニュ(30.6mm).
ガラス径は30mm.

1940年代に開発・製造されたレビュー・トーメンの自社製ムーブメント.厚さ4mm.

受けが5分割されており,どちらかといえば懐中時計ムーブメントの意匠に近い.丸穴車が2本ビス留めで,アンクルも2本ビス留めとなかなか凝ったムーブメントである.チラネジ付きテンプ.
GT 82 (MSR X1)
(Revue Thommen / GT 1885 Classics)
5振動,17石,13リーニュ(29mm).
ガラス径は28mm.

1952年に開発されたレビュー・トーメンの自社製ムーブメント.厚さ4.25mm,パワーリザーブ40時間.

上のRevue 81と比べると若干落ちるが,それでも受けの曲線的な形状は興味深い.チラネジ付きテンプ.
La Joux-Perret (Jaquet) 736
(Epos / Rectangular Power Reserve)
6振動,19石,
おそらく7 3/4-11リーニュ(横17.48mm×縦24.81mm).
ガラス径は横18mm×縦26mm.

両持ち受けテンプと通常とは異なる輪列が特徴の手巻角型ムーブメントのラ・ジュウ・ペレ(旧ジャケ)736.大きさは不明だが,FHF29より若干小さいETA735と同じサイズと思われる.

ETA(FHF,FEF)が1960年代に製造していたという説があるが,詳細は不明.個人的には,現代的な両持ちの受けといい,6時位置スモールセコンドを全く考慮していない輪列といい,ラ・ジュウ・ペレ社の前身ジャケ社で80-90年代に開発され製造されているムーブメントと言われても全く不思議ではない.スムーステンプ.
FHF 29
(Maurice Lacroix / Masterpiece FHF29)
5振動,15石,8 3/4-12リーニュ(横19.85mm×縦26.35mm).
ガラス径は横20mm×縦26mm.

1933年から1963年まで製造されたフォンテンメロン(FHF)製キャリバー29.

ガンギ車受けが独立し,輪列受けが細長い上,ガンギ車受けが曲線的に飛び出している.また,テンプ受けは二番車の形状に合わせて円形に削られている.チラネジ付きテンプ.
FHF 371
(Ernest Borel / Cacktail)
6振動,17石,8 3/4 リーニュ(19.4mm).
ガラス径は20mm.

センターセコンドの小型ムーブメントであるフォンテンメロン製キャリバー371.70年代にも製造されていた.厚さ4.04mm.

テンプ上部の耐衝撃用と思われるパーツが興味深い.また,輪列受けは,ネジ穴用に削られている部分が3箇所ある.スムーステンプ.
FEF 6680
(Chandler / Starlike)
5振動,17石,8 3/4 リーニュ(19.4mm).
ガラス径は20mm.

センターセコンドの小型ムーブメントであるフルーリエ製キャリバー6680.70年代にも製造されていた.厚さ4.3mm.

ガンギ車の軸受け石にシャトンが入っている.センターに鎮座する4番車と,それを押さえる受けの形状がなかなか興味深い.スムーステンプ.
ETA 1168
(Excelsior Park)
5振動,17石,12リーニュ(27.07mm).
ガラス径は24mm.

センターセコンド用のムーブメント ETA 1100 に簡易クロノグラフ機能を付加した ETA 1168.四番車に大きなハートカムを入れ,輪列受けを削って簡易クロノグラフのリセット機能を追加している.製造開始時期は1950年頃.厚さ5.10mm.

受けにはコート・ド・ジュネーブが,地板にはペルラージュが施されている.また,受け石にはシャトンリングが入っており,なかなかの仕上げである.ひげゼンマイはブルースチール.チラネジつきテンプ.
ETA 2512
(Grace Fabriau / Asymmetric II)
6振動,17石,7 3/4リーニュ(17.2mm).
ガラス径は16mm.

すでに生産終了したと思われるETA社製の手巻ムーブメント.厚さ2.9mmという薄型小型ムーブメントであり,秒針が9時位置となるので,おそらく2針のレディース用と思われる.

仕上げはほとんどされていない.スムーステンプ.
ETA 2660
(Kaneko / Memorial)
8振動,17石,7 3/4リーニュ(17.2mm).
ガラス径は18mm.

現行のETA製センターセコンド用のムーブメント.レディース時計に搭載されることが多い.

いわゆるETA輪列(フォンテンメロン輪列)を採用しているため,輪列受けに4つの軸受け石を見ることができ,厚さも3.5mmと薄くなっている.仕上げは皆無である.スムーステンプ.
ETA 2801-2
(Watch People)
8振動,17石,11 1/2リーニュ(25.6mm).
ガラス径は21mm.

現行のETA製センターセコンドの手巻ムーブメント.自動巻のETA2824-2から自動巻機構を取り去ったムーブメントである.ただし,緩急計はETA2824と異なり,エタクロンでなくこのようなレバー状のものが多い.

ETA輪列(フォンテンメロン輪列)であり,厚さ3.35mmと薄型である.スムーステンプ.
Venus 1221
(Benedict)
5振動,17石,11 1/2リーニュ(24.94mm).
ガラス径は26mm.

三針ムーブメントの AS 1221にトリプルカレンダームーンフェイズを付加したヴィーナス1221.文字盤側はヴィーナス203と同一.製造開始時期は1950年頃.厚さ5.25mm.

12時位置テンプのセンターセコンド用のムーブメント.テンプはそれほど大きくない.輪列受けに穴が空いているためメンテナンスがしやすい.なお,受けにはエングレービングが施されている.チラネジ付きテンプ.
AS 1727
(Auguste Reymond / Charlston Doctor)
6振動,17石,8 3/4リーニュ(19.4mm).
ガラス径は18mm.

1976年(1960年代という情報もあり)に開発されたムーブメント.厚さ3.55mm.

ASとはア・シールド(A Schild)の略.輪列受けは直線的である.スムーステンプ.
(Epos / Doctor's Watch)
ガラス径は20mm.

上と同じAS1727の画像.上では見えなかったガンギ車周りのパーツが興味深い.
Peseux 7046
(Epos / Emotion Regulateur)
6振動,17石,10 1/2リーニュ(23.3mm).
ガラス径は24mm.

1968年から1975年(1982年という情報もあり)に製造されたムーブメント.厚さ3.1mm.

ETA/Peseux 7001と異なり,輪列受けが一つになっている.スムーステンプ.
Semag ES 95
(Jacques du Manoir)
6振動,17石,おそらく12リーニュ(27.07mm).
開口径は26mm.

Semag社のセンターセコンド手巻ムーブメント.テンプは6時位置.詳細は不明.スムーステンプ.
Anonymous
(Alprosa / Chronometer)
5振動,15石,おそらく10リーニュ(22.56mm).
開口径は22mm.

おそらく1940-50年代製のスイス製ムーブメント.Alprosa 自身はエニカ(Enicar)のブランド銘だったので,ムーブメントもエニカ製かもしれないが,現時点では不明.

分割された受けにはペルラージュっぽい模様が入っており,三番車と四番車の軸受け石が出っ張って配置されているなど,曲線的な形状である.香箱には「CLEOPATRA」の刻印あり.耐震装置はなし.チラネジ付きテンプ.
Anonymous
(Anonymous)
5振動,15石,おそらく10リーニュ(22.56mm).
開口径は22mm.

上のムーブメントと同じく,おそらく1940-50年代製のスイス製ムーブメントと思われる.

四分割された受けを持つ.耐震装置はなし.チラネジ付きテンプ.
Wostok 2409
(Poljot International / CCCP)
6振動,17石,リーニュ(24mm).
ガラス径は27mm.

ロシア製手巻センターセコンドムーブメントである Wostok 2409.厚さ3.5mm.

耐震装置はロシアのERAで,ヒゲ持ちも独特の形状である.スムーステンプ.
Molnija 3603
(Poljot / Buran)
5振動,18石,16リーニュ(36mm).
ガラス径は29mm.

ロシア製懐中時計ムーブメントである Molnija 3603(3602という表記もある).厚さ4.6mmで,パワーリザーブは41時間.4分割ブリッジと曲線的なブリッジ形状が興味深い.アンクル受けも両持ち.Lepine で,スモールセコンドはリューズの先である9時位置に配置.

ガンギ車受けにカバーが付いている.耐震装置はロシア独自のERAで,クリックも大きい.スムーステンプ.
Seiko 6810A
(Seiko / Mechanical)
6振動,22石,8リーニュ(20mm).
ガラス径は20mm.

セイコー68系ムーブメントは,1968年に開発が始まり,1969年に6800,1972年に6810が完成した.1978年に販売が一旦中止されたものの,1992年に復活・再生産したムーブメントがこの6810Aである.厚さ1.98mmという極薄ムーブメントである.

軸受け石にはシャトンリングが施され,ガンギ車と四番車の軸受けには耐震装置まで入っている.地板にペルラージュ,受けにコート・ド・ジュネーヴが入っており,また香箱車や丸穴車の仕上げも美しい.スムーステンプ.
Orient 48A40
(Orient / Orient Star Royal)
6振動,21石,おそらく11リーニュ(24.81mm).
ガラス径は26mm.

オリエントの46系ムーブメント手巻.パワーリザーブ計付きのセンターセコンドムーブメントで,輪列受けと香箱受けが一体となった受けが特徴.

ガンギ車と三番車の軸受け石に耐震装置が装備されている.香箱車の仕上げもなかなかである.丸穴車は受けの上に装備されており,裏からは見えない.スムーステンプ.
Citizen 8234A
(Citizen / Skeleton)
6振動,17石,おそらく11リーニュ(24.81mm).
ガラス径は25mm

シチズンの手巻ムーブメント.スケルトナイズされている.輪列受けと香箱受けが一体となっており,しかも香箱が受けと地板に挟まれている.

耐震装置はおそらくシチズン独自のパラショック.スムーステンプ.
表の画像.表輪列のツヅミ車,キチ車,コテツ車が見えるので,リューズを引くと,ツヅミ車がキチ車から離れ,コテツ車とかみ合う様子がよく分かる.